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【活動報告】国際学会参加報告書

国際学会(28th Conference of The European Health Psychology Society)活動報告書

 

Ⅰ、学会概要

 本学会はヨーロッパ諸国を中心に健康心理学の実践・理論に基づいた調査の促進および応用を目的として1986年に誕生し、今年で28回目となる年次大会の開催を迎えた。本学会はヨーロッパ諸国の研究者を中心として、世界中から専門家が集う学会であり、本年度は61ヶ国の実践家・研究者が参加した。

 

Ⅱ、開催概要

開催場所:University of Innsbruck, Innsbruck, Austria

開催日時:2014年8月26日―30日

発表者

 雨宮 怜(人間総合科学研究科 体育科学専攻 博士後期課程1年)

セッション名:Stress and Coping(Poster Presentation)

発表演目:Time Variation in Psychological Stress Responses among Athletes

 

Ⅲ、大会概要

本大会では、308件のオーラルプレゼンテーション、462件のポスタープレゼンテーション、19件のシンポジウムというプログラム構成の下で開催された。主な研究内容として、基礎的な健康心理学に関する調査研究だけではなく、医療現場や学校教育場面において用いられる介入技法の応用実践とその効果、アルコール中毒患者に対する支援や健康行動増進を目的とした行動変容、災害や虐待などのトラウマティックな体験からの回復力(レジリエンス)等、現代社会における問題を扱ったテーマが多く見受けられた。

報告者はポスタープレゼンテーションに参加し、研究報告を行った。ヨーロッパの学会における特徴として、ポスタープレゼンテーションの発表形式が挙げられる。具体的には、各セッションに1名のファシリテーターが付き、参加者と一緒に1つのグループとなって各発表者のポスターを回り、各発表者は与えられた持ち時間の下でそのグループに対して口頭で研究報告を行う。本大会においても同様の発表形式の下でポスタープレゼンテーションが実施され、英語を用いた国外の専門家との積極的な研究報告を行う機会を得た。

また報告者は、アスリートにおける心理的な問題とその時間的な変化に関する研究発表を行った。同じセクションの参加者や私の発表を聞きに足を運んでくださった専門家からは、ヨーロッパ諸国においても同様の問題が報告されている一方、日本とはその原因となる要因が異なる点を指摘されるなど、貴重な意見交換を行うことができたと感じている。

今回の発表を通じて、報告者が行っている研究の重要性だけではなく、個人差・文化差の大きさについて、改めて考える機会を与えられたと感じている。また、オリジナリティに富んだ研究内容や、新たな研究技法・統計法なども学ぶ機会があり、日々学んでいく姿勢が研究者には求められると改めて感じさせられた。さらに、報告者と同年代の研究者が国外で活躍していることを知り、今後の研究活動のモチベーションにも繋がり、非常に有意義な学会大会であったと思う。

 

Ⅳ、活動の様子

ポスター発表時の様子