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【報告書】第16回HHPセミナー

16HHPセミナー報告書

 

 

Ⅰ.セミナー概要

本セミナーでは、講演に先立ち西保 岳 教授からJerome A. Dempsey 博士(Professor Emeritus, University of Wisconsin, Madison)の紹介(呼吸調節を主体とした運動生理学研究の世界的権威であること)と招聘の意義の説明がなされた。その後、「Publishing your research: for new investigators.」のセミナータイトルで講演が行われた。質疑応答では、論文投稿に関する参加者の実体験を踏まえた発問が起こり、活発に議論された。

 

Ⅱ.開催概要

主催:文部科学省特別経費プロジェクト

「ヒューマン・ハイ・パフォーマンスを実現する次世代健康スポーツ科学の国際研究教育拠点」

筑波大学大学院人間総合科学研究科 体育科学専攻・コーチング学専攻・スポーツ医学専攻、システム情報工学研究科、知能機能システム専攻

日 時: 平成27年3月16日 (月) 15:00-16:00

 場 所: 筑波大学体芸棟5C606

 講 師: Jerome A. Dempsey 博士(Professor Emeritus, University of Wisconsin, Madison)

 参加人数:30名 

 

 

 

Ⅲ.講演概要

セミナータイトル:「Publishing your research: for new investigators.」

 

○講演内容

本講演では、数多くの国際雑誌掲載論文を持つだけでなく、これまでJournal of Applied Physiology誌のEditor-in-Chiefとして従事し(2005-2011)、現在ではJournal of Physiology誌のCrossTalk Editorを務めるDempsey 博士の経験から、若手研究者がどのように研究成果を出版および公表していくかを考える際に重要な点について、いくつかの視点からの提言がなされた。

具体的には、まず論文を作成するに当たって、第一著者になることの重要性や研究データをいくつもの論文に細分化すべきでないこと等について解説した。次に、論文を発表する雑誌の選び方や投稿前に確認すべき点について、論文を読んでもらいたい読者層(分野など)や査読者の質を見極めることが重要である一方、インパクトファクター(IF)を重要視しすぎる必要はないこと、また、投稿論文の明確性・新奇性・強み・限界等をよく確認し、研究倫理を確実に遵守しなければならないことを説明した。その後、採択される論文と不採択になる論文との違いについて例を挙げ、研究内容についてメカニズムを明らかにするようなアプローチができているか、適切な実験や分析が行われているか、さらに生理学分野の知見を飛躍的に進歩させ得るものかが主な基準となり、時には仮説と反する研究結果も重要であることを説明した。最後に、査読者に対するアドバイスとして、個人的な偏見を排除することや、出版物の質を向上させるようにコメントすることが重要であることを説明した。

自然科学系の研究を行っている教員・大学院生をはじめ、参加者は特に投稿した論文がリバイズとなった際の対応や投稿すべき雑誌の選び方等について興味を持ち、活発な質問や議論が交わされた。

 

平成27年4月30日 (木)

所属:人間総合科学研究科

氏名:藤本 知臣